パタカラは一度お休みして、
グループホームでのセラピーの事を書きたいと思います。
「 Mさん、お食事が採れなくなりました。ターミナルケアに入っています」と始まったセラピー。
前半はベットに入ったままでしたが、歌が始まる頃、車椅子で出ていらっしゃいました。
こちらのホームでは、お一人ずつお好きな曲があって、後半はその歌を歌っていきます。
Mさんのお好きな歌は、 「愛の讃歌」
Mさんの手を取りながら、一緒に歌います。
もう、今日でお別れかしらと思いながら歌っていると、涙が止まらなくなってしまいました。ピアニストの細江聡子さんも、スタッフの方々も全員泣いています。
愛の讃歌は、私には歌えない曲だわと思っていましたが、毎月歌っている内に、Mさんから歌い方を教えて頂いたように思います。
今は、私のレパートリーになっています。
色々な想いが錯綜しながら歌い終わると、「いい声ね〜」と拍手してくださいました。
細江さんは、涙でグチョグチョになってしまった顔を拭くようにと、参加していた方にご自分のテッシュペーパーを貰っていました。
みなさん、お優しいです。
その後も沢山歌いましたが、それら全部をしっかり歌われていて、私達はびっくりしました。
本当に今日でお別れかなぁ!?と思っていましたが、その次にお会いしたのは、2週間後。
こちらのホームでセラピーではなくて、コンサートに伺った時です。
私の歌の前半と後半の休憩の時に
歩いて、前に出られて「黒田節」を歌われたのです!
この日は、少しお菓子を口にされたようです。
音楽の力って素晴らしいなぁと感激しました。
勿論、ここのホームのスタッフの方々の手厚い介護のお陰です。
ターミナルケアにはいられても、命は紡がれていきます。
生命力って素晴らしいなぁと思います。
Mさん!
どうぞ長生きしてくださいね。